台湾には、「早市」と呼ばれる朝市と、午後から始まる「黄昏市场」と呼ばれる市场の2种类があります。その违いは始まる时间だけでなく、売られているものや客层も异なります。朝市の客层は主妇が中心で、肉や鱼、野菜、果物が中心に売られていて、日用品やおやつの类もあります。一方で黄昏市场の客层はサラリーマンやOLが中心なので、仕事帰りに夕食を买って帰れるように、朝市よりも惣菜の品ぞろえが豊富になっています。市场は地域によって特徴が异なりますが、本号では台北でもっとも个性的な卸売市场、朝市、黄昏市场をピックアップして绍介します。さまざまな市场の姿を通して、台北のバラエティーに富んだ市场の魅力に迫ります。
安くてボリュームたっぷりの卸売市场 台湾を代表する卸売市场~第一果菜批发市场
第一果菜批发市场は万大路にあり、近くには台北市鱼类批发市场もあります。深夜3时には明かりがともり、ここから台湾北部の各地へ向けて野菜や果物が出荷されます。
早朝に卸売が终了すると、普通の朝市に変わります。ここは卸売市场も兼ねていることから、野菜や果物の値段がほかの市场よりも2、3割ほど安くなっています。それでレストランや小売店、露天商の担当者がここに买い付けにやって来ます。
果物卸売エリアでは、台湾でよく见られる量り売りはほとんどなく、箱単位で贩売されています。また、鱼卸売エリアには100を越える店舗が并び、澎湖、屏东などで水扬げされた鱼介类が贩売されているほか、珍しい海水鱼もあり、鱼の选び方なども丁宁に教えてくれます。そして市场の向かいの小道、万大路492巷12弄には有名な海鲜街があり、同じ卸売が中心ながらも、市场と违って大型の水槽を备えて、新鲜な鱼介类が入手できます。
市场の周辺には庶民料理の店もあります。地元の人が荐める创业50年の老舗の「米粉汤」は、昔ながらの味で、朝早く市场を访れた多くの人たちの朝食として人気があります。また、「张记油豆腐细粉」はスープがおいしく、萝卜酥饼、豆沙酥饼、千层糕なども丁宁に作られていて、一度食べたら忘れられない味わいです。
野菜と果物の卸売のトップ~第二果菜批发市场
「滨江市场」と呼ばれている第二果菜批发市场は、台湾北部の数多くのレストラン御用达の市场です。第一果菜批发市场よりも果物と野菜を取り扱っている店が多く、品ぞろえも豊富です。しかも香辛料専门店、シイタケ専门店といった専门店も少なくなく、朝早くから主妇やレストランの料理长などの买い物客でにぎわいます。
高级果物を取り扱っている店も少なくありません。海外産では青森のりんご、オーストラリアのサクランボ、台湾産では南投の高级ブドウやレンブなどがあり、品ぞろえも豊富で、视覚でも楽しめます。
市场の向かいには、卫生管理の行き届いた「台北鱼市」があり、新鲜な鱼介类が贩売されています。その台北鱼市のそばにある「上引水产」は、台北市でもっともホットな観光鱼市场です。600坪あるスペースには、水産、スーパー、レストラン、インテリアなど10のエリアが设けられ、オシャレで明るい空间が広がっています。ここでは北海道産のタラバガニや毛ガニが入手でき、その场で料理してもらえます。また、できたての料理が味わえるフードコート「立吞」のほか、屋外にはバーベキューコーナー、2阶には锅料理コーナーなどもあり、多彩な机能を备えた国际的な市场になっています。
新鲜な食材が见つかる早市 バラエティーに富んだご当地の食材~木栅市场
保仪路にある木栅市场は、文山区最大规模の市场で2阶建てになっています。1阶には野菜、肉干(ジャーキー)、日用品や雑货、2阶には鱼や肉を取り扱っている店があります。市场としてはそれほど大きくありませんが、取り扱っている农産品は卸売市场よりも个性的なものが际立っています。周辺の猫空、草湳山地区で采れたもののほか、距离的に近い石碇、深坑、平溪のもの、さらには远く离れた宜兰の三星や员山のヘチマやキャベツもここで入手できます。
また、名の通った店もあります。茶馆「冠盈茗茶」は、木栅一帯では有名な小さなお茶屋さんで、有机茶、台湾各地の高山茶、中国云南省のプーアル茶を専门に取り扱っています。ここに来れば、お茶好きな人が好むお茶が必ず见つかります。木栅市场はこのように个性的なため、周辺住民だけでなく、石碇や深坑からもわざわざ买い物に访れる人がいます。
台北人の「贵族市场」〜东门市场
金山南路と信义路の交差点近くにある东门市场。国民政府が台湾に移転してから、近くに多くの政府の要人が住むようになったことから、その夫人たちを満足させようと、各地の本物の食材を网罗して取り扱うようになりました。食材の品质は台北市でもトップレベルと言われ、かつては「贵族市场」とも呼ばれていました。
东门市场には、庶民料理の名店が数多くあります。台湾で创业してから30数年になる「东门鸭庄」の料理人は香港人で、毎日お店で新鲜でおいしい脆皮烤鸭や蜜汁叉烧を作っていて、うわさを闻きつけて多くの香港人が足を运んでいます。また、金山南路侧の入口近くにある创业55年の「兴记食品行」は、三代目が店を切り盛りし、看板メニューの八宝饭のほか、萝卜糕、点心などどれも本场の味です。特に手作り饺子は具だくさんで皮ももちもちしていて、有名な女优のブリジット・リン(林青霞)もお気に入り。この市场で行列ができる名店になりました。
山の幸の味わい~北投市场
北投市场は日本统治时代からある台北市で歴史のある市场のひとつです。市场の中だけでなく、その周辺の小道でもいい品が入手できるというのは、知る人ぞ知る事実です。この市场のおもしろいところは、阳明山が近いことから、おばあさんが山で育てた野菜も手に入るということです。カゴに盛られたその野菜は、うれしい惊きに満ちた産地直送の新鲜な食材です。
歴史ある北投市场の庶民料理もまた有名です。地元の人が毎日欠かさず饮んでいる红茶を贩売している「蔡元益红茶」は、ここに店を构えてから数十年になります。店内で毎日红茶を入れているので、店の近くには红茶のいい香りがただよっています。マイルドな味でなめらかな口当たりの红茶は、甘さ控えめで、1杯10元と破格の値段です。また、いつも満席の「简记排骨酥面」の特徴は、麺に肉燥(肉そぼろ)という脂っこい食材を使っていないことです。それでいてちゃんと味も付いているのですから、ついつい箸が止まらなくなります。それから隠れたグルメの「北投咖哩饭」は、远くからでも店の前の行列が目に入ります。店内にはカレーの香りがただよい、店の外にいてもいい香りがしています。
お买い得な黄昏市场 信义区のもうひとつの光景~永春市场
午後3时から始まる永春黄昏市场は、台北市最大の黄昏市场だと言われています。公设市场を中心に虎林街の両端にも露店が并び、鸟肉、アヒル肉、牛肉、豚肉、野菜、果物、惣菜などがそろっています。特に忠孝东路五段に近いエリアは、ほぼ果物の露店ばかりです。その种类は豊富で、色とりどりの果物を见ているだけでも楽しくなります。
公设市场に近いエリアには、惣菜の露店が并んでいます。卤味、烤鸡、扬げ物と种类も多く、仕事帰りの夕食に最适です。面白いのは、以前、市场の近くには眷村(主に戦後中国から渡ってきた军人とその家族が住む団地)があったことから、まんじゅうの店だけでも5轩あります。「津隆益手工包子馒头」では、毎日20种类を越える味のまんじゅうを作っていて、まんじゅうができあがるたびにいい香りがただよっています。
市场は信义区にあり、MRT永春駅からも近いことから、アクセスが便利で、终了が近づくとよりにぎやかになります。いろんな店の人のかけ声が响き渡り、にぎやかな都会の中で一风変わった光景を目にすることができます。
内湖サイエンスパークで人気~文徳黄昏市场
文徳路66巷にある黄昏市场は、内科サイエンスパークのサラリーマンやOLに人気です。仕事が终わってから、惣菜をいくつか买って帰れば、夕食に困ることはありません。
30年近くの歴史がある文徳黄昏市场の特徴は、全长たった300メートルの市场に惣菜の店がずらりと并んでいることです。惣菜の中で内科サイエンスパークの人に人気なのが「好呷鲜肉包」の看板メニュー、鲜肉包で、夕方5时半には売り切れてしまいます。また、66巷12弄との交差点のところにある「吕家咸水鸡」は、近くの江南市场で30数年前に创业した店です。ここの烤鸡と油鸡は皮はやわらかく、肉はジューシーで人気があります。この市场では朝市で売れ残ったものも贩売されていますが、时间が経つにつれて値段も安くなってくるので、お得な买い物をしたいなら、6时から7时にかけてが狙い目です。
台北の市场には、卸売市场、朝市、黄昏市场の姿があります。台北で市场に足を运び、庶民の生活に触れてみるというのも面白い体験になることでしょう。
台北の个性的な市场