コース
MRT景美駅 → 景美集应庙 → 恒茂药行 → 瑞泰麻油 → 景美桥 → 义兴楼(昼食) → 文山公民会馆 → 文山公园 → 刘协昌制面厂 → 木栅集应庙 → 金益香饼店 → 三老村(夕食) → 景美溪の川辺
文山区を贯く景美溪(河川)は、水深が深かったため、船が行き交うことができ、かつて周辺地域に繁栄をもたらしていました。今ではもう昔のように船が航行することはありませんが、歴史の足あとをたどって、当时の様子を振り返ることができます。さあ、昔を访ねて知的な旅に出かけましょう。
景美100年の足あと
台北市の南にある景美の旧称は「梘尾」でした。のちに「景尾」と改名されましたが、名前の响きがよくないということで、美しい景色のあるところという意味を持つ「景美」とさらに名前が改められました。かつての景美溪は水上交通が盛んでした。交通の便がよかったことから、かつて小道にすぎなかった景美溪そばの景美街が、人々が密集する街に生まれ変わりました。今では観光客でにぎわうようになり、有名な景美夜市もあります。景美街は、周辺を新しいビルに囲まれてはいますが、1960年代、1970年代に建てられた珍しい街并みも残っています。また、灌漑用水の「瑠公圳」だったところで、かつての用水路は埋め立てられて道路になっていますが、その両侧には100年クラスの建物がいくつか残っています。景美の文化と歴史に触れたいなら、ここを访れるといいでしょう。
MRT景美駅の2番出口を出て右に曲がると、商业エリアの一部になっている景美街に出ます。そこに足を踏み入れると、両侧にさまざまな庶民料理の店、服饰店、八百屋が并んでいます。まっすぐ进んで左侧の分かれ道に入ると、「景美集应庙」があります。ここは文山区で唯一、三级古蹟(文化财の一种)に指定されている庙で、清朝の时代に建てられた中规模の庙の代表格です。前殿に大きな赤い栅があるのが大きな特徴で、建物の壁や柱には饰りや石の雕刻が施されていて、古色苍然とした雰囲気が漂っています。
さらに景美街を前に进むと、轩先に屋台が并ぶ「恒茂药行」があります。この100年の歴史を有する汉方薬店は、现在の店主、张水柳の祖父が创业しました。100年もの间店を続けて来られたのは、医术にたけているだけでなく、薬の选别と调合の基准を极めて高く设けていて、付近の住民からの信望が厚いからです。恒茂药行を出てさらにまっすぐ进み、右に曲がって景文街に入ると、清朝末に创业した「瑞泰麻油」があります。ここの麻油(ごま油)は、まずゴマを炒めてからすり、さらに蒸してから油を绞り出して沈殿させるという昔ながらの繁雑な制法で作っているので、本物の老舗のごま油が入手できます。そのごま油をおみやげに买いましょう。
さらに前に进むと、景美溪を挟んで新店へつながる景美桥があります。新たに架けられたこの桥は斩新なデザインになっていますが、実は景美桥の歴史は100年にもおよび、过去3度も架け替えられて、现在のような姿になりました。桥の下の河滨公园は緑にあふれ、自転车も走っています。ここを歩いていると、かつて水に恵まれていた时代に、住民が泳いだり鱼を捕まえたりしていた姿が目に浮かび、今と昔が交错しているような感じがします。
昼食时には、景美桥から元来た方向に戻り、创业80余年の「义兴楼」で昼食を取りましょう。炒面(焼きそば)、米粉(ビーフン)といった庶民料理のほか、红蟳米糕(カニのおこわ)、香酥鸭(アヒルの丸焼き)といった豪势な料理もあり、どれもこの店の看板台湾料理です。
木栅で古めかしさを
昼食がすんだら、今度は木栅の方へ行きましょう。ただ、徒歩だと1时间程度かかるので、景文路を左に曲がって景兴路まで行き、バスに乗ることをオススメします。木栅は、多くの山々と谷が连なっているところで、景美溪の両岸だけがなだらかになっていたことから、昔はそこが繁栄していました。今はもう用水路もなくなってしまいましたが、当时の面影が残っているので、古めかしさを求めて访れてみるのも悪くありません。
バスは文山行政中心で下车します。そこは「文山公民会馆」「文山公园」があるエリアです。文山公民会馆は、旧馆と新馆に分かれていて、木の门があり、屋根が黒瓦になっている旧馆の方には、老木があり、日本风の优雅な雰囲気が漂っています。ここでは定期的に文山区の古い写真が展示され、无料で参観できるので、文山区の歴史に触れるのに最适です。
その向かいには、緑の木々が生い茂る「文山公园」があります。公园内には、日本统治时代に创建された「畜魂埤」(动物慰霊碑)があります。これは台北市に3カ所しか残っていない「畜魂埤」のひとつで、日本统治时代には、屠杀场以外でのブタの屠杀が禁止されていて、当时は木栅に屠杀场がありました。それでブタの霊を慰め、感谢の意を示すために、ここに碑を建てたのです。
そして木栅三大名産と言われているのが、「木栅鉄観音」、「绿竹笋」(タケノコの一种)、「面线」です。5月から10月にかけては、ちょうどタケノコのシーズンです。タケノコ料理を味わいながら、有名な木栅の鉄観音茶を楽しみたいなら、保仪路からバスに乗って、猫空へ行きましょう。また、面线の産地は、木栅の景美溪に近い一帯で、全盛期には、20轩あまりの制麺工场がありました。现在も木栅路3段85巷には、创业60余年の「刘协昌制面厂」があり、手作りの麺を日干して作られる面线は、しこしこしていて、いい香りがします。
続いて木栅路3段と保仪路の交差点を右に曲がって5分ほど歩くと、「木栅集应庙」が目に入ります。景美集应庙と同じく清朝の时代に建てられた庙で、访れる価値があります。台湾で庙があるところには、だいたい线香専门店や中华菓子店があります。木栅路3段の方へ戻って、交差点を右に曲がると、1921年に创业した「金益香饼店」があります。寿桃(桃の形をしたまんじゅう)、咖哩饼(カレー味の中华菓子)、绿豆沙饼(緑豆ケーキ)といったお供え物用の中华菓子を作っていて、どれも伝统的な制法で手作りされているので、昔ながらの味が楽しめます。
夕食は、木栅路3段にある创业37年の中国北方料理の老舗「三老村」で取りましょう。その场で作っている水饺子、麺类はボリュームたっぷりでしかも値段も手ごろ。また、卤味(しょうゆの煮込み)と烧鸡(鸟の丸焼き)は看板メニューで、常连客は必ず卤味を注文しています。
夕食がすんだら、木栅路3段から景美溪の方へ进み、川沿いを散歩します。今回のレトロな旅で访れたところは、にぎやかなところも衰退してしまったところも、この曲がりくねった川と関わりがあります。景美溪のそばに立ち、川の流れを眺めながら、繁栄していた当时の姿を想象して、文山区の旅に幕を闭じましょう。